【安田純平】英国では身代金の支払いは違法 ダッカの反省で日本政府が払う可能性なし イスラム過激派が根負けするのを待つしかない状況

英国では身代金の支払いは違法

今年 4 月、先進7カ国(G7)外相は「テロリストが自身の活動のための資金調達や国内外で我々の国民に危害を加える手段として誘拐の身代金を活用することを防ぐ」決意を改めて表明。パリで開かれた国際会議でも70カ国以上が過激派組織IS(「イスラム国」)や国際テロ組織アルカイダへのテロ資金供給を遮断する努力を強めることで合意しました。

筆者が暮らす英国にははっきりした基準があります。テロリストの身代金要求には絶対に応じません。身代金の支払いは違法です。

その理由は「テロリストに身代金を支払うことはテロリストの組織やテロ攻撃を実行する能力を強めるだけでなく、テロ組織を維持し、メンバーをリクルートしたり、つなぎとめたりすることを可能にする。誘拐をさらに誘発させる」からです。

身代金支払いは新たな誘拐を誘発すると考える英国と米国だけでなく、イスラム過激派による身代金目的誘拐事件とテロ多発に苦しむアフリカ、アラブ諸国も身代金の支払いには応じません。これに対して、フランスなど欧州諸国では人質の安全を優先して多額の身代金を支払うケースが後を絶ちません。

1977年のダッカ日航機ハイジャック事件福田赳夫首相(当時)が「一人の生命は地球より重い」と述べ、身代金支払いと超法規的措置として過激派メンバーを釈放し、国際的な批判を浴びた日本は今では、英国や米国と同じスタンスを取っており、テロリストとの交渉に応じて譲歩することはありません。

国連安全保障理事会テロ対策委員会に対する専門家の報告(2014年)では「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」は11~13年に2000万ドル、「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ(AQIM)」は4年間で7500万ドル、ISは1年間に3500万~4500万ドルの身代金を獲得したそうです。04~12年に1億2000万ドルの身代金がテロ組織の手に渡ったと推定されています。

日本政府がイスラム過激派に譲歩して安田さんの解放を求めることはありません。イスラム過激派が根負けして安田さんを解放するのを待つしかないのが現実です。

https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20180802-00091669/

(一部抜粋・全文はソースで)