【髪】江戸時代の食生活の変化、書物の紙に混ざった毛髪で判明

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江戸時代の食生活の変化、書物の紙に混ざった毛髪で判明
野中良祐
2018年8月14日18時5分

 江戸時代の書物の紙に含まれていた毛髪を分析したところ、当時の庶民の食生活が見えてきた――。そんな研究結果を14日、龍谷大などの研究チームが発表した。時代が進むにつれて、海産魚をよく食べるようになったことなどが、元素の分析から推定されるという。

 龍谷大の丸山敦准教授(生態学)によると、江戸時代の都市では出版ブームが起こり、たくさんの書籍が発刊された。大量の紙が必要なことから、古紙の回収や再生紙づくりも盛んになり、この過程で毛髪が紙に埋め込まれた。これらの毛髪は、たまたま混入した可能性のほか、耐久性を上げるための材料として、意図的に混ぜられたとする説もあるという。

 チームは、江戸時代に作られた書物から、130サンプルの毛髪を採取。炭素や窒素の同位体の割合を分析し、食生活を調べた。

 その結果、1700年以降の200年間に、海産魚を食べる割合が徐々に増加していったことが裏付けられた。漁業技術が発達し、ニシンなどの漁獲量が増えたことが背景とみられる。
 地域別にみると、江戸では、ヒエやアワなどの雑穀を食べる割合が比較的多かった。「江戸患い」と呼ばれた脚気が流行したため、ビタミンを含む雑穀を食べる健康法が広まっていた可能性があるという。

 丸山さんは「今後、飢饉(ききん)などの大きな出来事の前後で食生活が変わったかどうかについても、詳細に調べたい」と話している。(野中良祐)